初めてのレジンキット「まずは完成させよう」組立編

最近はガレージキットを入手できるイベントも増えてきました。
展示物も素晴らしい出来の物も多く、見ているだけで思わず欲しくなります。
しかしながら、レジンキットは基本「未塗装」「未組み立て」です。
当然「展示物のように仕上げる」には相応の技量と手間がかかります。
昨今キットは高額化して1~2万円越えが当たり前になってきました。
「勢いで購入して、白いレジンパーツの山を見て呆然とする人も多い」思います。
そこで「まずは安い小スケールのキットで練習」してみましょう。

ここでは表面処理や軸打ちなどレジンキット特有の基本的な技法を解説します。
基本がわかれば「レジンキットはパーツ数も少なく作るのが楽しい」です。
せっかく買ったキットはどんどん作ってしまいましょう。

必要な工具を揃えます

レジンキットはプラモデルと違う「必須工具」があります。
高額なものも多いですが、組み始める前に買っておきましょう。

必須工具

  • ピンバイス(軸打ち)
  • 小径ドリル(軸打ち)
  • ケガキ針またはニードル(軸打ち)
  • 真鍮線0.5mm・1.0mm・1.5mm(軸打ち)
  • 金属線ニッパー(軸打ち)
  • 瞬間接着剤ゼリー状・低粘度両方(気泡埋め)
  • マルチプライマー・プライマーサーフェーサ(塗装)

推奨工具

  • カンナ掛けツール(パーティングライン処理)
  • 小型彫刻刀(ノミ)(ダボ穴等調整)
  • 瞬間接着パテ(気泡埋め)
  • 瞬着硬化剤・プライマー(気泡埋め)
  • ベビーパウダー(気泡埋め)
  • 金属ヤスリ・甲丸(髪や深いエッジの整形)
  • 特殊形状ヤスリ(髪や指の整形)

必須工具だけでも6,000円以上はかかりそうです・・・。
かなり高価なので「キットを買った勢い」でまとめて買ってしまってください。
推奨工具は「特に高価」です。
ただしあれば便利なので、少しずつ揃えてもよいでしょう。

組み立てます

最初は「表面処理」を行います。

レジンキットはシリコン型に液体のレジンを流し込んで作成されます。
液体が重力に従って流れるには「流路が必要なためゲートは太く」なります。
また、シリコン型は金属型と比較して柔らかく型の固定も緩くなります。
当然型の隙間のバリや型ズレにより「パーティングライン」も必ず入ります。
ゲートとパーティングラインの処理はレジンキットの必須加工になります。

ゲートを処理します

「太いゲート」はまずはニッパーで大雑把に切り出し。
ナイフや#240番の荒めのやすりで形状出しをします。
その後やすりの番手を上げて#600番程度までかけて仕上げます。
かかとなど「やすりが届かない場所」はデザインナイフで「切り出し」ます。
レジンはプラとは違い「ネバ硬い」のでナイフの通りは良く形状出しも容易です。

髪の谷間やスカートの裏などは「特殊形状ヤスリ」が便利です。
このやすりはダイヤ電着砥石でどの方向でも削れ、切削力が強いのが特徴です。
ヤスリの背中側をカンナのように滑らせれば、凹パーツでも干渉せずゲートも削れます。
おなか側を使えば指などの「小径の軸」の整形もできます。
一応ナイフのカットやカンナ掛けでも同じことはできます。
ただし「先端が当たって傷ができる事故」が怖いので専用工具を買う価値はあります。

パーティングラインを処理します

「パーティングライン」も同様にやすり掛けで処理しますが・・・。
正直「カンナ掛け」で仕上げまで処理する方が楽で速いです。

一応デザインナイフでもカンナ掛けは可能ですが、あまりお勧めできません。
刃が鋭利なのでちょっとしたきっかけで事故が起こりやすいです。

「刃が走る(線状に切れる)」
「食い込む(えぐれる)」

パーティングライン処理はレジンキットの宿命なので専用の工具を出来れば揃えましょう。

「マジスク」「超硬スクレーパー」あたりがおすすめです。

気泡を埋めます

レジンキットは上述「重力に従って流れた液体が固まってできる」キットです。
液体を流す際、当然空気を嚙み(含み)ます。

そしてレジンが時間をかけて固体化する際、「どうしても気泡が発生」します。
(「軽い空気が浮かび」「型のすみっこに溜まる」)
そこで気泡を埋めて「本来のパーツの形状にする」処理が必須になります。

気泡の埋め方

通常気泡は球体形でパーツの表面に一部顔を出しています。
そのまま埋めてしまうと、球体全体にパテが充填されません。
それを防ぐため気泡の穴を広げてあらかじめ球体が露出するようにします。

手順は簡単で、デザインナイフを気泡穴に突っ込み「ぐりぐり広げる」だけです。

また、気泡がたまりやすい先端ではパーツが欠けた状態になりがちです。

瞬着パテを盛りつけて、しっかり修正します。

気泡埋めには瞬間接着パテを使用します。
「シアノンDW」は粘度と硬度とレジンとの色のなじみの良さでとても使いやすいです。
ただし、プライマ硬化剤が必須なのと、それも併せて高価なことがネック。
今回「低粘度瞬間接着剤+ベビーパウダー」を「簡易瞬着パテ」として使うことにしました。
簡易瞬着パテは「安価」「粘度も調整できる」「切削性もよい」とメリットも多いです。
また、基本的に瞬間接着剤なので自然乾燥でも比較的短時間で硬化します。
しかしながらホワイトレジンに比べて白っぽいので、色なじみは良くありません。
「サフレス塗装」をする場合はやはり市販の瞬着パテを使いましょう。

瞬着パテは硬化するとかなり硬度があります。
ダイヤヤスリや#240番の荒めのやすりで「形状出して」#600番程度まで仕上げます。
小さい部分なら「造形」や「改修」も容易です。

仮組をします

パーツ同士を組み立ててみて、「合い(しっかり嵌るか)」をチェック。
最近のキットは「ダボ」の設計も良くパーツ同士の角度まで決まるのがほとんどです。
それでもレジンの特性上、「ひずみ」「盛り上がり」などは出来てしまいます。
すこしずつ削ってぴったりはまるように調整しましょう。

凹ダボや腰ポケットなど「凹みの逆エッジ」にも気泡はできやすいです。
ここはヤスリが届かないので、彫りこんでで修正するしかないです。
一応ナイフでも加工できますが「小型のノミ」の方が加工は楽です。
お勧めは「アイガーツール・カービングナイフ」ですがかなり高価です。
汎用性と価格を考えて「ゴッドハンド・スピンモールド」を彫刻刀として使うのもお勧めです。

軸打ちをします。

レジンキットは接着して組み立てが基本になります。
「ダボ」はあくまで位置決めのためのもので、パーツの保持はほぼ期待できません。
そもそも小さいパーツはダボがないこともあります。
レジンは耐溶剤性が高く溶かして溶着するプラ用接着剤は使えません。
接着には隙間で接着剤自体が固まって固定する(抵抗接着)瞬間接着剤を使用します。

瞬間接着剤は引っ張りに強いですが、横からの力や衝撃には弱いです。
軸打ちの目的は「接着面を増やし横にズレにくくする」ことで強固に固定することにあります。

また、軸打ちによって「仮止め・着脱」ができるようになります。
塗装する場合、「ばらした方が塗りやすい」場面も多いです。
「ポージング変更・組み換え」など「接着したくない」箇所にも軸打ちは有効です。

軸打ちの具体例

「軸打ちの位置合わせ」には色々なやり方があります。

  • ペンなどで「中心線を描きだす」
  • マスキングゾルで「穴の凹み」を転写
  • 真鍮線で「スタンプ」して「センター穴」を付ける

中心線を描きだす

そもそも「ダボがない場合」のパターンです。

「パーツを合わせたい位置を先に決めて」軸打ちをする場所を決めます。
まずは「パーツを合わせた状態」で側面に「4か所ペンで描き込み」をします。
パーツを外して「4か所を結んだ交点」をペンで書き出し。
正確に中心でなくても、OKです。
パーツを合わせたときにズレずに軸穴を開けることができます

穴の凹みの転写

「ダボが小さく位置決めが曖昧」なパターンです。

まずは片側の中心に下穴をあけます。
下穴周辺にマスキングゾルを塗り込み、パーツを仮組します。
ゆっくりパーツを外すと「下穴に入り込んだゾルだけが抜けた」ゾルが転写されます。
転写されたゾルの中心を狙って、ニードルでセンター穴を押します。
あとはドリルで穴を開ければ、下穴と同じ位置に軸打ちができます。

スタンプでのセンター穴あけ

「ダボが大きく位置がしっかり決まる」パターンの軸打ち方法です。

まずは、凸ダボの大体真ん中に真鍮線の「0.1mm小さい穴」を開けます。
そこに真鍮線を金属ニッパーをプライヤー代わりに差し込みます。
金属線は1mm程度残してニッパーでカット。
金属線が生えた凸ダボと凹ダボを「ぐりぐり押し込んで」組み立て。
レジンネバ硬いので金属線がニードルのように「若干くぼみ」をつけます。
最後に凹ダボのくぼみを目印に真鍮線と「同じサイズの穴」をあけます。
位置決めで使用した真鍮線は外して改めて真鍮線を差し込みます。
凸ダボ側の真鍮線を瞬着で固定して、やや長めにカットして完了です。

軸打ちがズレたときの対処方法

正確に位置決めをしても「どうしてもズレる」ことはあります。
新しく穴を開け直すと間違った「元の穴に引きずられ」思うように開けれません。

そこで、「バカ穴を開けて正しい位置に軸を埋め直す」方法がおすすめ。
(「バカ穴」とは軸に対して大きめの穴。すなわち「ゆるゆるの穴」を言います)
まず1㎜の軸に対して穴を「プラス1㎜」の2㎜を開けてしまいます。
次に軸側に離型剤として「メンソレータム」を塗り込み。
穴側に瞬間接着剤を充填してパーツを正しい位置に組み込み。
乾燥後パーツを分離して離型剤を拭き取れば「正しい位置に穴が転写」されます。

「軸打ちは意外と簡単に修正できる」ので「軸穴は適当」でよいと思います。

充填するのがパテならさらに「でかいバカ穴」でも「位置調整はできます」
軸打ちはあまり難しく考えず、とにかく手を動かした方が良いでしょう。

マルチプライマーを吹き付けます

「表面処理」「気泡埋め」「軸打ち」ができたら一旦組み立てます。
特に問題がなければ、中性洗剤で水洗いします。
塗装の準備としてここで離型剤・削りカス・皮脂を落としておきます。

下地処理として「マルチプライマー」を吹き付けます。
レジンは基本的に耐溶剤性が高いので、ラッカー塗料は食いつきません(剥がれます)。
そこで「足付けのため」プライマーやプライマサーフェイサーを吹き付ける必要があります
現在レジンキットは「ホワイトレジンを活かした」サフレス塗装が主流です。
ただし、瞬着パテなどパテ埋めをした部分はサフェーサの方が「色味を揃える」のは簡単です。
表面処理に合わせて使い分けましょう。

あとは塗装したら完成

ここまで処理できたら再度組み立ててみます。
隙間やズレなどチェックしたら、後は塗装です。
レジンキットは固定モデルなので「パーツ数少なく」意外と組み立てやすいです。
サクッと組み立てて塗装に進みましょう。


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