美少女フィギュアの褐色肌グラデーション塗装の練習

塗装自習室

美少女プラモデルやフィギュアも「褐色のモデル」がかなり増えてきました。
専用色も各社発売されていますが、「自分の好みと微妙に違う」ので購入もためらわれます。
何より「褐色肌はマイノリティ(少数派)」なのが現状です。
専用色を色々買っても、作るキットが少なくて持て余しそうです。
そこで、調色による塗装を色々試してみて「好みの褐色肌」を見つけたいと思います。

褐色の美少女は難しい

褐色肌が難しいのは「色々な肌色」があるからです。
肌色はベタ塗だと玩具っぽくみえるので、グラデーション塗装をしたいところ。
一般的な「サフレス塗装」をする場合はシャドー色も考えないといけません。
そこで今回4パターンの塗り方を試してみました。

  • アニメセル画風(赤っぽい色黒肌)
  • ギャル風(小麦色肌)
  • 東南アジア人風(赤味の弱い色黒肌)
  • アフリカ系黒人風(明度が低い黒肌)

キットの下地をホワイトで塗装します

カラーチップとして、プラキット「1/20MAX渡辺」を使いました(美少女とは?)

まずは「EXホワイト」薄く4回程重ねて真っ白の「つや有り面」を作ります。
疑似サフレス塗装でグラデーションを掛けていきます。
専用色はなしと言いつつ、サフレス塗装のため「クリアブラウン」は欲しいです。
「ラスキウス・クリアペールブラウン」だけ買ってみました。

褐色肌シャドー色を試してみる

基本褐色肌シャドー色

「サフレスフレッシュピンク 1:クリアペールブラウン 2」
赤味の強い茶色で「右脚」に吹き付けました。
下地のホワイトの影響でオレンジが浮くのを抑えた「くっきりした茶色」です。
メリハリのあるアニメ調には使いやすそうです。

日本人肌黄色シャドー色

「サフレスフレッシュオレンジ 1:クリアペールブラウン 2」
赤味を抑えた茶色を「左脚」に塗ってみました。
下地のホワイトの影響で「黄色がかった肌色」になりました。
ミリタリーフィギュアなど「色気を出したくない」男性キャラに使えそうです。

日焼け褐色肌シャドー色

「クリアペールブラウン」そのまま

やや赤味のある茶色で「右腕」に吹き付けます。
クリアなので少しずつ重ね「乾燥する」と「少し黄色味がある茶色」になります。
単色では下地の影響を受けやすいので、「上掛け用」と考えた方が良いでしょう。

顔料系褐色肌シャドー色

「キャラクターフレッシュ(2) 1:クリアペールブラウン 2」
赤味の強いピンクで「顔と左腕」を塗ってみました。
キャラクターフレッシュが下地の白に強く影響を受けて「黄色味が強いピンク肌」になります。
隠ぺい力があるので「日本人風黄色シャドー色」でシャドーを先に吹く場合に使いやすいです。

アフリカ系褐色肌シャドー色

「基本フレッシュ 3:リノリウム色(マホガニー) 1」
赤味の少ないこげ茶色で、青味掛かったココアブラウンで「右腕」を塗り直しました。
「クリア化」してグラデーションを掛ければ下地色としても使えそうです。

自分好みの基本フレッシュを作ります

基本フレッシュは「キャラクターフレッシュ(1) 3:キャラクターフレッシュ(2) 1:ホワイト 5」
市販の「ガイヤ・ノーツフレッシホワイト」を狙った調色です。
キャラクターフレッシュ各色を使うと「オレンジ」が浮いてくるので「ホワイト」で弱めた肌色です。
私は塗料が余ってるので調色しましたが、今ならあえて調色する必要はないです。
市販のフレッシュも色々出ているのでそちらを買えばよいでしょう。

褐色肌の基本色を試してみる

褐色肌基本色

「基本フレッシュ 1:ペールクリアブラウン 2」
赤茶色に濁ったフレッシュです。
「ピンク系の色黒肌」として右脚に塗ってみます。
「顔料系褐色フレッシュ」なので隠ぺい力があるのが魅力です。
アニメ調褐色としてとても使いやすい色になりました。

小麦色褐色肌サフレス色

「サフレスフレッシュピンク 2:サフレスフレッシュオレンジ 1:クリアブルー微量」
サフレスフレッシュに極微量のブルーを足すと一瞬で「こげ茶色」になります。
昔から使われるサフレス褐色肌の調色方法です。
実際は「調色スティックの背中に少し乗せた塗料」で十分色味が変ります。

少しずつ青味を足して好みのこげ茶色にするため、色の再現度は低いです。
「左脚」はサフレス褐色肌の技法で塗りました。
クリアー塗料なので、隠ぺい力がなく、シャドーを修正するのには不向きです。
「重ねるほど色が濃くなる」ので色味の調整はできますが、「後戻り」ができない塗装法でもあります。

美白肌基本色

「キャラクターフレシュ(1) 4:キャラクターフレッシュ(2) 1」
キャラクターフレッシュに赤味を足した白っぽい肌色です。
模型メーカー指定の「80%:20%の比率」のサンプルです。
「右腕」の「ラスキウス・クリアペールブラウン」のシャドー色との対比で塗ってみました。
コントラストが強いので、「白人の男性兵士」には良い色味です。

顔料系アジア人肌色

「キャラクターフレッシュ(1) 3:キャラクターフレッシュ(2) 1:クリアペールブラウン 8」
「左腕」は顔料系フレッシュをブラウンに振るため、クリアブラウンを2倍ほど足して塗装。
赤味のあるフレッシュで「ナチュラルなアジア系の肌色」になりました。
元気な女の子キャラなど「白っぽい肌色が似合わない」場合に良いかもしれません。

色黒アジア人褐色肌色

「キャラクターフレッシュ(1) 1:クリアペールブラウン 3」
顔はかなりブラウン寄りのフレッシュを吹いてみました。
乾燥後はキャラクターフレッシュの「オレンジ」が浮くので黄色味のある肌色になります。
東南アジア系の「オレンジ系の浅黒い肌色」の下地色として使えそうです。

アフリカ系褐色肌色

「基本フレッシュ 1:クリアペールブラウン 2+リノリウム色極微量」
褐色肌基本色をこげ茶色で少し濁らせた赤味の強い暗いブラウンです。
顔料系なのでシャドーの修正もできます。
リノリウム色(マホガニー)の調整で日焼けとは違う「濃い黒色肌」が表現できます。
アフリカ系美少女キャラなど「ピンクやオレンジに振らない褐色肌」に使えそうです。

褐色肌塗装のおすすめパターン

現在美少女フィギュアの塗装は「ハイライトをかなり明るく塗る」のが定番です。
しかしながら基本色の上からシャドーを細吹きするのは初心者には難しいです。

そこで、シャドー色から顔料系の半クリア塗料ではみ出しを少しずつぼかす「立ち上げ塗装」がお勧めです。

写真では「褐色肌シャドー色」から「褐色肌基本色」を吹いています。
吹きすぎても暗く沈まず「発色が止まる」ので、色味のコントロールも容易です。
顔料系塗料なら、修正もできるので「やり直し」ができるのは初心者向きでした。

褐色肌サフレス塗装で透明感を出す

サフレス塗装はクリア色を重ねて濃淡をつける塗装方法です。

クリア色は色を重ねるほど沈んで「暗い色」になります。
影色から吹き始めて全体が好みの色になるまで吹き重ねると「無段階のグラデーション」になります。
ただし「暗くなった色を修正するのは不可能」なので難しい塗装法でもあります。

写真では「褐色肌サフレス色」を吹き付けています。
修正しようと何度も吹き重ねて「自分が思ったよりかなり黒い褐色」になりました。
ただし、サフレス塗装はミスト吹き付けによる複雑なテクスチャーと透明感が魅力です。
エアーブラシ塗装の効果が最大限に発揮できる塗装方法でもあります。
1/10以上のある程度大きなスケールのモデルなら、細吹きの難度もさがります。
「塗ってる感がなく」「自然な肌の表現」には是非挑戦したい塗装方法です。

褐色肌のためのおすすめ塗料

今回色味の調整のため「ラスキウス・クリアペールブラウン」を使いました。
以下の点でとても使いやすいのでおすすめです。

  • クリア塗料なので色味が急に変わらず調整しやすい
  • 混色してもオレンジ味が出にくい
  • 赤味の鮮やかさを落とさず明度を下げれる
  • 入手性がよくて安価

褐色肌塗装は「特に人により好みの色が違う」分野です。
今回の塗装レシピはあくまで「色の変化」の参考です。
「自分好みの褐色肌」を探して色々試すのも塗装の楽しみだと思います。

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