PLAMAX MF09 「カナメ・バッカニア」を全塗装で製作

minimumfactory

マックスファクトリーから発売の美少女プラモデル minimum factory「カナメ・バッカニア」を全塗装で作ります。
マクロスデルタより音楽戦術ユニット「ワルキューレ」のリーダーが1/20スケールプラモデルで登場。
腕を前方で「グッとクロスさせるポーズ」が力強さを感じさせ

さすがリーダー!かっこいいです
すらっと伸びた少し太めの脚もとても美しく、大人の女性らしさ表現した造形がすばらしいです。
成型色による色分けも良く出来ているので、緑のストライプを部分塗装するだけでも、ほぼ見本通りとてもかっこよく仕上がると思います。

まずは仮組です

ダボの形状が左右非対称になっているので、組み立てで迷うこともなく形になるのがすばらしいです。
ダボの固定力も十分で、手首やスカートなど複雑な形状もピタリと位置が決まります。
パーツの合いはおおむね良いのですが以下の点が少し気になります。

  • ブーツのパーツに厚みがないので、台座への固定が不安定
  • ベストは左右分割ですが、大きめのスキマが出来る
  • 髪は合わせ目が目立つ
  • 右腕に目立つ分割線がある
  • 「ほっぺたがやや下膨れ」のため影がほうれい線に見える

スタイルに関してはほぼ満足なので、表面処理と少しだけ加工します。

改修作業です

スジボリが浅い箇所は「ホーリー0.15mm」を使ってフリーハンドで彫り直します。

  • ブーツユニットの丸モールド
  • ベストの縁とボタン
  • 腰のリボン中央の縫い目
  • 指ぬきグローブの境界

上記は塗り分ける予定なのでスジボリで境界をくっきりさせておきます。

ダボが緩い箇所をマグネットで固定します

ブーツと台座は取り外しができるようにマグネットを仕込みます。

  • ブーツのダボの凹みとつま先にΦ1.0×1.5tのマグネットを埋め込む
  • 台座の凸ダボにはΦ1.5×1.5t、つま先側の接地面にはΦ2.0×1.0tのマグネットを埋め込む

かなり接地面積が狭いので、台座を塗装するなら接着した方が良いかもしれません。

胴体を腰の接続にはΦ2.5×1.0tのマグネットを埋め込みました。
こちらは、後で取り外せると「少し楽しい」のでおすすめです。

ベストのスキマ埋めはゼリー状の瞬間接着剤で行いました。

ボディーのパーツをガイドに片側をラップでくるんで、スキマに瞬着を盛ります。
一度に全て埋めようとせず、少しずつ盛り付けて3回程ほど繰り返しました。
硬化したら金属やすりで形状を出して、神ヤス#400で傷を消して仕上げました。

髪パーツの合わせ目を目立たなくします。

まずは後ろ側の3つのパーツを接着しておきます。
次にスキマに「伸ばしランナー」置きます。

流し込み接着剤で溶かしながら、柔らかくなったランナーを金属棒で押しこみます。
接着剤の乾燥後、デザインナイフややすりで髪のモールドに馴染ませました。
右腕の合わせ目は塗装の都合上、他のパーツの塗装後におこなうことにします。

ほっぺたは、フィギュアの造形としては立体感があって正しいのですが、アニメキャラとしては少しクドイ気がします。
そこで、デザインナイフのカンナ掛けで外側に向かってやや平らにしておきました。

塗装します

パーツを超音波洗浄機で洗って、塗装作業に入ります。
下地色として成型色を生かすためサーフェーサーは吹き付けません。

白パーツの塗装

白シャドー色「EXホワイト 3:パープルヴァイオレット 1」淡いスミレ色を調色。
腰ユニット下面・かかとパーツ下面・胸の谷間を狙って、方向に注意しながら吹き付けます。
腰のリボン中央縫い目も同様に淡いスミレ色にしておきました。
白基本色「EXホワイト」
シャドーのはみ出しを潰すようにブラシの方向に注意しながら吹き付けます。
指ぬきグローブとスカートの黒パーツも塗り分けるため、下地に「EXホワイト」吹き付けておきます。

肌の塗装

肌シャドー色「サフレスフレッシュピンク 2:サフレスフレッシュオレンジ 1」かなりピンク色のクリアを調色。
シャドー色はあとで調整できるので「影になりそうな箇所」「肌が張って明るくなる箇所の周辺」など以下の箇所を細吹でしっかり発色させておきます。
首・おでこ・指先・脇の下・右上腕筋の影・脚の付け根・お尻の影・膝小僧の周り・左膝の影・ふくらはぎ足首周り等。
肌基本色「基本フレッシュ+クリアー倍以上」発色力を抑えたクリアフレッシュを調色。
シャドーを消さないように、境い目をぼかしながら薄く吹き付けておきます。
この段階ではかなり彩度が高い(濃い)ですが、のちほどオーバーコートをすると落ち着いた色になります。

指先は下地がホワイトなので肌基本色に肌シャドー色を足して少し濃い目のクリアフレッシュで色味を合わせました。
ここはグローブで途切れているので、「色味の違い」はそれほど気にしなくていいかもしれません。

黄色パーツの塗装

黄色シャドー色「マイルドオレンジ 2:ビビットオレンジ 1」かなり黄色味の強いオレンジを調色。
しわのモールドとスカートの下側を狙って細吹しておきます。

黄緑色シャドー色「マイルドオレンジ+デイトナグリーン極微量」明るめの緑色を調色。
頭の花飾りの下面と谷間に吹き付けて、服とは違った表現を狙ってみました。
黄色基本色「イエロー 3:マイルドオレンジ 1」少し彩度を落とした黄色を調色。
シャドーを消さないように細吹き、ある程度荒めのグラデーションをつけます。
一度塗料皿に戻してクリアーで2倍に薄め隠ぺい力を落として、全体にフワッと吹き付けなじませました。

緑のストライプの塗分け

スカートとシャツのストライプを塗り分けるため、黄色側をマスキングします。
写真ではスカートの黒を先に塗ってしまっているのでマスクしていますが、本来は不要です。
スカートは外側を基準にマスキングテープを3mmで切り出して、なるべく等間隔に貼っていきます。
まずは放射線状に貼りますが、そのままだと内側(胴体側)でテープが重なり緑色が塗れません。
そこで、少し内側のテープを浮かしてデカールばさみで台形にトリミングを行い、緑が入るようにしました。
スカート裏も同様に細切りマスキングテープを貼っておきます。

シャツはかなり細い線の塗り分けになります。
一度パーツにマスキングテープを貼り付け、位置決めのため線を下書きします。
テープを剥がして線を清書したのち、デザインナイフで窓をあけ「ステンシル」を作って塗分けました。

緑パーツとストライプの塗装

緑シャドー色「デイトナグリーン」
襟の下側・ネクタイの先端・シャツのしわに吹き付けておきます。
緑色基本色「マイルドオレンジ 2:デイトナグリーン 1」かなり明るいヨモギ色に調色。
シャドーを消し切らないように細吹き。スカートのストライプはベタ塗にしました。

黒パーツの塗分け

スカートの黄色部分のマスキングは、テープを貼ってからパーツ上でデザインナイフでカットしました。
フリル中央の縫い目とハンドパーツの指は、マスキングゾルを爪楊枝につけて塗分けす。
マスキングは後で筆塗りでリタッチするのを前提に「明るい色にはみ出さない」ことだけ注意します。

黒パーツの塗装

黒基本色「インナーブラック」かなり暗いグレーを選択。
スカートやフリルのひだの間を狙って吹きますが、ほぼベタ塗で全体に塗料をのせます。
黒ハイライト色「インナーブラック 1:EXホワイト 1」明るめのグレーを調色。
スカートひだやジャケットのしわなどの山側を狙って細吹します。
ハイライト色は一気に発色するので、はみ出しが多くなります。
そこで修正のため基本色である「インナーブラック 1:クリアー 1」のクリアーブラックを調色。
ハイライトのはみ出しの修正と全体に薄く吹き付けて艶の調整をしておきました。

髪パーツの塗装

髪パーツの成型色は「青っぽいピンク色」で、少し不思議な色をしています。
パッケージは「濃い茶髪」なのでそちらに合わせて塗装したいと思います。

髪シャドー色「艦底色」暗いこげ茶色をそのまま使用。
パーツはばらした状態でパーツの下方向から谷間を狙ってしっかり発色させておきます。

髪基本色「ブラウン 2:艦底色 1」明度を落として赤色に振った茶色を調色。
髪パーツはバラシて塗ると色味が揃わないので、仮組してから塗装します。
フェイスパーツをラップでマスクして、剥がせる接着剤(PITマルチ)で組立。
髪の山側を狙って、色々な方向から細吹きしました。
この色は後で色々使うので保管しておきます。
髪ハイライト色「髪基本色 1:EXホワイト 2」明度を上げた赤茶色を調色。
頭頂付近や後ろ髪の山側を狙って、出来るだけ細吹きします。
ハイライトはどうしてもはみ出してしまうので、基本色は半分取っておきました。
最後に「基本色 1:EXクリアー」隠ぺい力を落とした赤茶色を調色。
ハイライトのはみ出しを修正しつつ全体に吹いてグラデーションをなじませました。

アイペイント(リタッチ)をします

まずは瞳のデカールのを貼り付けます。
デカールは瞳と眉毛が一体になっているので、眉毛をガイドにして少し釣り目になるように貼りました。
デカール位置の高さが同じになるように、顔を左右から見ながら調整していきます。
デカールが貼れたら、保護と表面を平滑にするため一度「スプレークリアーつや有り」を吹いておきます。

瞳デカールは特徴を捉えて良く出来ていますが、線が単調なので少し「薄口」に感じます。

アイラインは黒一色なのと目頭と目尻のまつ毛が細いので「ハルレッド+レッド」の彩度を上げた茶色で描き足します。
まぶた線も細すぎて形状も少し違うので、上書きして調整しました。
ここで一度「クリアースプレーつや有り」を吹いてエナメル塗料が消えないように保護しておきます(セーブ)。

眉毛も黒一色と単調なので髪の毛の色を意識して描き直します。
「ハルレッド+レッド」でほぼなぞる形で両端だけ少し尖らせてみました。

口のモールドにも同色で線を描きこみます。
ここは、「線が太いと顔がくどく成る」のでデザインナイフの削り込みで極細の線を狙ってみました。

口は線だけでは少し単調に感じたので「ホワイト+レッド」のピンク色で下唇だけ着色しました。

目尻側にアイシャドーを入れるため「ホワイト+オレンジ微量」でまずはフレッシュを調色。
「フレッシュ+レッド微量」で少し茶色に振ったフレッシュで「濃い目」に描きこみます。
そのままでは筆目が目立つので溶剤を付けた筆で「ぼかして」なじませてみました。

瞳の色をリタッチします。

瞳の色が少し暗いので、「クリアレッド 1:クリアブルー 2:ホワイト微量」で明るめの紫を調色。
原色で調色すると「濁って彩度が一気に落ちる」のでクリアカラーを使いました。
瞳の上部から順に少しずつ白を混ぜながら筆塗りによるグラデーションをかけます。

チークをいれて化粧をします。
チークにはウェザリングマスターHのピーチを使用。頬から耳に向かって少し濃い目に乗せました。

この後オーバーコートをするので、一度スプレークリアーでセーブしておきます。

肌のオーバーコートをします

瞳をマスキングゾルでコートして、肌のつやを調整します。
「GXつや消しスーパースムースクリア+雲母堂パールミルキーホワイト半さじ」をエアーブラシで吹き付け。
つや消しを吹くと彩度が落ちてコントラスト(明暗差)も落ちます。
「かなり色白の肌」に変化するので、肌の基本塗装は多少大袈裟にコントラストを付けた方が良いかもしれません。

細部の塗分けをします

白黒ユニットの塗分け

黒パーツ上腕ユニットはΦ4.2mmの円形マスキングシールを使用。
腕輪は細切りマスキングを現物合わせでカットしてマスキングします。

頭部リボンも「ストライプ」があるので細切りマスキングでラインをだします。

白パーツ腰ユニットはΦ3.2の円形マスキングテープで中心のデカール部分を保護(白を残す)。
外周部分は曲線マスキングテープ2mmを引っ張りながら貼り付けました。

ネクタイの塗分け

まずは先端緑部をマスキング。
「ブライトロイヤルブルー」明るめのブルーで「緑の上から直接」吹き付けます。
次に結び目とガラの「明るいブルーをマスク」して「アイアンブルー」を吹き付け。
ついでに、「黒色のベスト」もマスクして「ボタンの部分だけ青色」にしてみました。

最後に手前のネクタイをマスクして「パープルバイオレット 2:EXホワイト 1」の濃い目のスミレ色を調色。
まずはパープルバイオレットでシャドーを吹いて、濃い目のスミレ色を重ねてグラデーションを掛けてみました。

頭部リボンの塗分け

リボンは白のストライプが入っているので、マスキングして「EXホワイト」で塗り分けました。
ストライプの形状は「V字」が正解のようですが、塗ったあとに気づいたので修正はしていません。

髪どめの塗分け

後ろ髪の基部は髪どめなのでマスキングをして塗り分けます。
髪どめ黄緑「イエロー 3:マイルドオレンジ 1+デイトナグリーン極微量」を調色。
EXホワイトで下地を作ってから、エアーブラシで吹き付けておきます。

マイクの塗分け

マイクはヘッドをマスキングして本体を「マイルドオレンジ」でエアブラシ塗装。

その他は筆塗りによる塗分け

ブーツのユニット半円とマイク本体両端は「インナーブラック」で塗り分け。
ラッカー系塗料を使用したのではみ出さないように頑張りました。
ここは、エナメル塗料の黒系を調色した方が良いかもしれません。
下記3か所はエナメル塗料を使用して、はみ出したら拭き取って修正しておきます。

  • マイクヘッド部の帯「オレンジ」
  • ブーツのユニット中心部「オレンジ+イエロー」
  • 指先のマニキュア「オレンジ+イエロー」
  • 服のサスペンダー「ブラック+ジャーマングレー」

デカールの貼り付け

腰と左腕のユニットの中心部はデカールによる表現にしました。
デカールばさみで黒色部分をトリミングして中心部だけ使用します。
トリミングはカッターでも良いですが、ハサミは握りで「いつでも切る位置を止めれる」ので、切り過ぎによる失敗が少なく意外と曲線でも綺麗に切れるのでお勧めです。
腕は黒色の上からデカールを貼りますが中心部は「白が印刷されている」ので問題ありません。

オーバーコート

服をつや消しにするため、オーバーコートをしていきます。
GXつや消しスーパースムースクリアとEXクリアーを半量ずつで混ぜ、「半ツヤ」にしてみました。
エアーブラシは0.5mmノズルを使用して、濃度薄めのクリアを遠目からふわっと全体に吹き付けます。
上手く吹ければ、塗った瞬間からつやが消えていきます。

腰・左腕・かかとのユニットはつや有りにして、材質の違いを出します。
薄めのEXクリアーを全体に吹き付け、しっとりと濡れた状態で吹き終わりにしました。

組立と仕上げ

瞬間接着剤でパーツを組立てていきます。
腰とスカートは接着せず、挟み込みで固定しています。

右腕にがっちり合わせ目が出来て、とても気になります。
瞬着で埋めても良いのですが、瞬着は硬いので整形ミスで他の塗装済みパーツを傷つけそうです。
そこで今回は「ランナーパテによる合わせ目消し」をすることにしました。

  • 肌色ランナーをカンナ掛けで「かつお節」状に削りだす
  • 流し込み接着剤を付けた筆で、ランナー粉をすくう
  • ランナー粉は一瞬で溶けてゼリー状になるので、パーツのスキマに盛り付ける
  • ある程度盛ったら「1日」乾燥させる
  • ヤスリで整形して合わせ目を消す
  • 服をおおまかにマスクして合わせ目だけを目掛けて再度塗装する

正直とてもメンドクサイ作業になるので「合わせ目は無視する」のも良いかもしれません。

すべて組み立てたら完成です。

カラーレシピ(カナメ・バッカニア)

塗料メーカーは[C]クレオス[G]ガイアノーツで表記
比率は先頭のベースカラーから色味を調整しつつ調色しています。

白基本色=EXホワイト[G]
白シャドー色=EXホワイト[G] 3:パープルヴァイオレット[G] 1
肌基本色フレッシュ=キャラクターフレッシュ1[C] 3:キャラクターフレッシュ2[C] 1:EXホワイト[G] 5
肌基本色=基本フレッシュ 1:EXクリアーホワイト[G] 1~2
肌シャドー色=サフレスフレッシュピンク[G] 2:サフレスフレッシュオレンジ[G] 1
黄色基本色=イエロー[C] 3:マイルドオレンジ[G] 1
黄色シャドー色=マイルドオレンジ[G] 2:ビビットオレンジ[G] 1
黄緑色シャドー色=マイルドオレンジ[G]+デイトナグリーン[C]極微量
黒基本色=フレームアームズカラー・インナーブラック[G]
黒ハイライト色=インナーブラック[G] 1:EXホワイト[G] 1
髪基本色=ブラウン[C] 2:艦底色[C] 1
髪シャドー色=艦底色[C]
緑色基本色=マイルドオレンジ[G] 2:デイトナグリーン[C] 1
緑シャドー色=デイトナグリーン[C]
ネクタイ薄青=ブライトロイヤルブルー[G]
ネクタイ濃青=ダグラムカラー・アイアンブルー[G]
ネクタイ紫色=パープルバイオレット[G] 1:EXホワイト[G] 1

コメント

タイトルとURLをコピーしました