![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_001.jpg)
ガシャプラ・装甲騎兵ボトムズ「マーシィドック」をエアーブラシ塗装とウェザリング仕上げで製作します。
キットは全高約6.5㎝で「大体1/60スケール」になります。
プロポーションは良好で特徴的な脚部ハイドロジェット用のバックパックも「ワンパーツでしっかり形にしている」のがすごいです。
ガシャプラなので、いつでも買えないのが残念なのですが、価格も安いので今回も「ウェザリングの練習」を兼ねて製作していきたいと思います。
まずは仮組です
![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_003.jpg)
パーツ数は少ないので簡単に組みあがりますが、タッチゲートなのでパーツにエグレが発生しまくります。
ほぼ挟み込みでの組み立てになり、がっつり合わせ目が中央にできるので消していきたいところです。
後ハメ加工をします
![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_004.jpg)
頭部はハッチ側の受けを片側だけニッパーで切り飛ばす。
シートはボディ側の受けを削る。
手首は抜け防止の皿を軸状に削る(少し軸より太く残す)
ボディのフックは切り飛ばして0.5mm真鍮線を通して、合わせ目消し後接着
ボディと腰の接続はボディ側の合わせ目にスリットを切り出して、腰の受け皿を鍵形状に削りだす。
横向きにハメて90度回すと抜けないようにしてみました。
ここで一度「タミヤセメント」でがっちり接着して合わせ目消しの前処理をしておきます。
接着後にボディのフックをカット。
腰サイドアーマーも「脚部を後から差し込めるように」切り飛ばしておきます。
再接続には補強と位置決めを兼ねて0.5mm真鍮線を埋め込みました。
合わせ目消しとスジボリの入れ直し
![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_005.jpg)
接着した合わせ目は2日間乾燥させてからやすり掛けで消していきます。
当て木をした#240番のやすりで「接着剤のはみ出しごと」表面をならし、やすり傷は#400番のやすりをかけて消していきます。
ゲート跡のエグレが大きいので今回は「ポリエステルパテ」で埋めてみました。
瞬間接着剤で埋めるのは手軽ですが硬化後かなり硬くなります。
「ポリエステルパテ」は準備がめんどくさいですが瞬着と比較して切削性は良好です。
今回のような「細かいパーツの大きい傷」を埋める場合はそれなりに使いやすいです。
ただし「すごく臭い」のと「比較的、体に害がある」のが難点です。
やすり掛けの際は「防毒マスク」をして作業した方が良いと思います。
(長期間粉じんを吸うとアレルギー反応が出ることがあるので)
また「ポリエステルパテ」はもろくて剥がれやすいので「カンナ掛け」には向いていないようです。
モールドはキットのままでも比較的しっかりしていますが、一部成型の都合で浅い箇所があります。
「肩のリベット」と「ボディのフック基部」は「超硬ニードル」と「デザインナイフ」で彫り直しておきました。
サフを吹くのでやすり掛けは#400番までにしました。
グラデーション塗装をします
![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_006.jpg)
まずは、超音波洗浄機でパーツを洗浄。
合わせ目のチェックと下地色を兼ねて「メカサフ・ヘビー」を吹き付けます。
サフはエアーブラシで薄く3回ほど回し吹きをしてしっかり発色させて、均一な色味の下地を作りました。
当たり前のように表面はガタガタです。
見つかったスキマには瞬間接着剤を盛って再度#240番のやすり掛けからやり直し修正していきます。
薄緑(上腕・腹・腿・ふくらはぎ)の塗装
![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_007.jpg)
薄緑「ニュートラルグレー2 5:デイトナグリーン 1」少し明度の低い薄緑色を調色。
下地のグレーを消さないように立ち上げ塗装でグラデーションをいれました。
荒めにグラデーションを入れたら、一度塗料を皿に戻し「EXクリアー」で3倍ほどに薄めます。
再度クリアグリーンを全体に「ふわっと軽めに吹き付けて」グラデーションをなじませます。
残った塗料はリタッチのために取っておきました。
本体深緑の塗装
![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_008.jpg)
薄緑をちまちまマスキングをして、「メササフヘビー」を吹いて一度はみ出だした部分をリセット。
「バックパック」もメカサフヘビーの色をそのまま使うのでマスキングしておきます。
![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_010.jpg)
深緑「AT-01グリーン」はガイアカラーの専用色を使用しました。見た目は「ちょっと淡く感じる」のですが下地のグレーとなじむととても良い色味になります。
薄緑と同様に「立ち上げ塗装」でグラデーションをいれました。
バイザー部グレーの塗装
![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_012.jpg)
バイザー部のマスキングはテープをパーツに貼った上から慎重に切り出して行いました。
バイザー部グレーは「ブルーグレー」を使用。アニメロボットのバックパックにぴったりな良い色です。
エアーブラシのベタ塗で塗装。アンテナの基部も忘れずに塗っておきます。
レンズ部シルバーの塗装
レンズ部シルバー「EXシルバー」をエアーブラシで塗装。アンテナもマスキングして塗りました。
レンズ基部のターレットは余った塗料を筆塗りで塗り分けました。
「EXシルバー」は発色がとても良いのでエアーブラシ用に薄めに希釈してもしっかり発色してくれます。
その他エアーブラシ塗装
コクピットのシート茶色「艦底色」で全体に吹き付けベタ塗しました。
パイロットスーツのオレンジ「オレンジ」で塗装します。
下地のメカサフヘビーを生かして、「サフEVOホワイト」でブラック&ホワイト塗装にします。
「ホワイト」をフィギュアの「上方向から下に向かって」ふわっと吹き付けます。
吹き付けの方向を限定すると影の部分に塗料が当たらず黒っぽく残り「なんとなく立体感が出ます」
オレンジは発色が弱いので割としっかりと白くしておきました。
その上から「オレンジ」を薄くのせて、下地のグラデーションを生かすようにしました。
細部塗装をします
![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_011.jpg)
ここからはエナメル塗料の筆塗りによる塗分けをしていきます。
パイロットのベルト・肩パッド「ハルレッド」
パイロットのゴーグル「ジャーマングレー」
グライディングホイール「ジャーマングレー」
シートモールド「ニュートラルグレー」
パイロットのヘルメットシールド「ホワイト+グリーン」
エナメルカラーは伸びが良いので筆塗りにはとても使いやすいです。
丸一日乾燥させて、ウェザリングに備えてスプレー「スーパークリアー光沢」で保護しておきました。
ウェザリングをします
![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_009.jpg)
全塗装をしてここで完成でも良いのですが、同スケールのモデルと並べたいのでウェザリングをしました。
ウェザリングには油彩を使うので完全な拭き取りが難しく「基本的に後戻りができない」です。
ただ、比較的簡単に「実在感」や「オリジナル感」が出せます。
なにより作業していて楽しいので「失敗が怖くない安価なキット」で練習してみました。
フィルタリングをします
![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_013.jpg)
まずはグラデーション塗装をなじませるのと、褪色(たいしょく)表現のためフィルタリングをします。
使った塗料は「ウェザリングカラー・マルチホワイト」。
溶剤でシャバシャバにした白色をなるべく均一に平筆で塗っていきます。
筆は上から下に大きく動かして、基本的に塗りっぱなしです。
塗料が溜まった部分だけは乾いた綿棒でささっと拭き取りしておきました。
彩度が少し落ちて艶もなじみ、一気に雰囲気が変わるのが面白いです。
ウォッシングをします
![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_017.jpg)
ウォッシング兼ストレーキング兼スミイレを「ウェザリングカラー・グランドブラウン」で行います。
ウェザリングカラーは油彩なので、とても伸びが良く乾燥も遅いです。
「パーツ上で塗料を動かすウォッシング」にはとても使いやすい塗料です。
ただし、伸びが良いので完全に拭き取るのは難しく、拭き取りにも手間がかかります。
今回もまず、平筆を縦にして濃い目の塗料で「ランダムな太さの細い雨垂れ」を描き込みます。
![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_018.jpg)
洗って溶剤を付けた平筆で「雨垂れを細く削り込み」ながら、塗料を全体に伸ばしていきます。
延ばした塗料だけで、ピンウォッシュ(スミイレ)まで行います。
少し塗料が残って「くどい部分」は、「乾いた綿棒」で叩くように伸ばして拭き取りをしておきました。
綿棒に溶剤を付けると塗料が落ちすぎるのでコントロールが難しくなります。
チッピングをします
![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_019.jpg)
塗装のはがれ表現のため「エナメル・ジャーマングレー」でスポンジチッピングをします。
まずスポンジやすりを小さく切ったものを用意します。
次に濃い目のエナメル塗料をつけてティッシュで適度に塗料を落とします。
スポンジをピンセットでつまんでなるべくランダムになるようにポンポンとスタンプしていきます。
スポンジに乗せる塗料の量は「プラにつけた時ヌルっとすべる」ようだと付け過ぎです。
エッジや、ショルダーアーマーなど「何かが当たって傷がつきそうなところ」にポンポンしていきます。
エナメルを使用しているのは修正が簡単だからです。
ランダムに色をのせてるので当然「丸まったり」「大きすぎたり」塗料が付きすぎの箇所はでます。
「フィニッシュマスターに溶剤をつけて拭き取りトリミング(成形)」は必須の作業になります。
砂ぼこりの表現をします
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ウェザリングのアクセントとして「砂ぼこり」の表現を「ウェザリングカラー・サンディウォッシュ」で行います。
二足歩行のロボットが「全身砂まみれ」なのは不自然です。
まずは面相筆で「足の下半分ほどに」ランダムで線を描きこみます。
溶剤を付けた筆で「線をつなぐよう」塗料を延ばして「乾いた泥汚れ」の表現としました。
「サンディウォッシュ」は乾燥するととても目立つのでやり過ぎないよう注意。
他にも砂が付きそうなハンドガードと足首のアーマーの下面も汚しておきました。
仕上げの加工をします
カメラレンズはメインカメラのみ「透明の伸ばしランナー」を加工して作成。
メインカメラを「ラッカー・クリアグリーン」で赤外線カメラを「エナメル・クリアレッド」で筆塗りしました。
ウェザリングの保護とつやの調整のためクリアーをふきます。
「つや消しスーパースムース 1:EXフラットクリア 2」をエアーブラシでオーバーコートして完成です。
![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_021.jpg)
![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_022.jpg)
![](https://plagoma.com/wp-content/uploads/2021/12/model_marchy_023.jpg)
カラーガイド
塗料メーカーは[C]クレオス[G]ガイアノーツ[TE]タミヤエナメルで表記
比率は先頭のベースカラーから色味を調整しつつ調色しています。
ベース色=メカサフヘビー[G]
薄緑色=ニュートラルグレー2[G] 5:デイトナグリーン[C] 1
本体濃緑色=ボトムズカラーAT01グリーン[G]
バイザーグレー=ブルーグレー[G]
カメラ部銀色=EXシルバー[G]
背面タンク=メカサフヘビー[G]
パイロットオレンジ=下地クールホワイト[C]→オレンジ[C]
タイヤ黒色=エナメル・ジャーマングレー[TE]
その他細部塗装
レンズ=クリアーグリーン[C]
レンズ=クリアーレッド[TE]
パイロット=ハルレッド[TE]・ホワイト[TE]・グリーン[TE]・ニュートラルグレー[TE]・ジャーマングレー[TE]
ウェザリング
Mrウェザリングカラー・マルチホワイト[C]
Mrウェザリングカラー・グランドブラウン[C]
Mrウェザリングカラー・サンディウォッシュ[C]
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