ガシャプラ・ボトムズ・スタンディングタートルを全塗装で製作

キャラクターモデル

ガシャプラ・ボトムズ「スタンディングタートル」をエアーブラシ塗装とウェザリング仕上げで製作します。
キットは全高約7.1㎝で「大体1/60スケール」になります。
プロポーションは良好でヘビー級ATらしい「どっしりした体系」がかっこいいです。
特徴的な湿地戦用の「スワンピークラッグ」がとても良いアクセントになっているので、今回は「ウェザリングで錆表現」をテーマに製作してみました。

まずは仮組です

パーツ数は少なく簡単に組みあがりますが、タッチゲートなのでパーツのエグレが気になります。
胴体の合わせ目はあまり目立たないようになっていますが、腕と足はがっつり真ん中で分割せれているので接着して合わせ目を消していきます。

スワンピークラッグはワンパーツなので裏面の肉抜き穴と突き出しピン跡が目立ちますが、今回は塗装を楽しむがテーマなので埋めていません。

後ハメ加工をします

シートはボディ側の受けを削る。
手首は抜け防止の皿を軸状に削る(少し軸より太く残す)
ボディと腰部はカギ状に削り、腰を回転させると抜けないように加工。
ここで一度タミヤ・プラセメントでがっちり接着して、3日ほど乾燥時間をとります。
腰部のサイドアーマーをエッチングソーで切り離して、0.5mm真鍮線で再接続できるように加工。

表面処理をします

接着した合わせ目は2日間乾燥させてからやすり掛けで消していきます。
当て木をした#240番のやすりで「接着剤のはみ出しごと」表面をならし、やすり傷は#400番のやすりをかけて消していきます。

ゲート跡はエグレが大きいので「ポリエステルパテ」で埋めました。
ポリエステルパテは瞬間接着剤と比べて「切削性が良い」ので、形状出しには非常に便利です。
ボディ横のスリットモールドとスワンピークラッグのモールドが少し甘いので、直線はデザインナイフで曲線はニードルでなぞって彫り直しました。
ハンドバーツは「指が丸くなるように」デザインナイフのカンナ掛けで形状を出しています。

グラデーション塗装をします

パテを使用しているので、傷のチェックと下地色の均一化のため「メカサフヘビー」を吹いておきます。
パテの段差やスキマの埋め漏れは瞬間接着剤を盛って再度やすり掛けをして修正します。
2回目のサフを吹いても少し傷が残っていましたが、「どうせ、ウェザリングしてつや消しで仕上げる」つもりなので「自分を納得させて」ここで、下地処理の完了としました。

本体緑色の塗装

本体緑色「AT01グリーン 2:ブライトロイヤルブルー 1」グリーンを青方向に彩度を落としつつホワイト成分で明度を上げて調色します。
下地のメカサフヘビーを生かして「中心から細吹で少しずつ発色させてエッジ周辺を暗くする」立ち上げ塗装を行いました。
グラデーションは消えると下地からやり直しなので「割とキツメの仕上げ(塗料の粒子が見える程度)」でとどめています。
「どうせ、ウェザリングでつや消し」するので、後からなじませることは出来ますし。

本体青色(上腕・太もも・すね)の塗装

本体青色「ブルーグレー 3:パープルバイオレット 2」少し紫色が強めの青味のあるグレーに調色。
緑部分をマスキングして塗分けます。
脛とふくらはぎの塗分けはモールドがないのでテープでラインを出しましたが、あらかじめスジボリを彫っておいた方が良かったかもしれません。
グリーンのはみ出しを一旦メカサフヘビーで塗り直してから、立ち上げ塗装でグラデーションをかけました。

その他のエアーブラシ塗装をします

ヘッド部茶色「艦底色」をベタ塗。赤味の強い茶色で発色も良くとても塗りやすい色です。
余った塗料で「スワンピークラッグのホイル」と「本体機銃」を筆塗りで塗り分けました。

レンズ部銀色「EXシルバー」をベタ塗。

パイロット白色「ウォームホワイト」をベタ塗。少し「濁った白色」にしてみました。

コクピットシート茶色「ウッドブラウン+艦底色極微量」明るめの茶色を少しだけ彩度・明度を落としてベタ塗。

細部塗装をします

細部塗装は修正が容易なエナメル塗料を筆塗りで塗り分けていきます。
頭部黒色「ジャーマングレー」

パイロット肩パッド・手袋「ブラウン」
肌色「ホワイト+オレンジ+レッドごく微量+ブルー極ごく微量」少し色黒の肌色で
パイロットゴーグル「ジャーマングレー」
パイロットレンズ「ホワイト+グリーン極微量」
パイロット髪の毛「ブラウン+ホワイト」塗料皿で混ぜながら、まだらになるように塗ってみました

パイロットの「ビーラーゲリラ」は特に資料がないので、「情報量を増やして誤魔化す」方向で塗りました。
エナメル塗料の保護と塗ムラ低減のため、スプレークリアー半ツヤを吹いておきます。

ウェザリングをします

今回も同シリーズのブルーティッシュドックとマーシィドックと並べて飾りたいのでウェザリングをします。
特徴的なスワンピークラッグやシンプルなボディのデザインなど「広い面が多く単調になりがち」なので、メリハリをつけるため練習も兼ねてキツメの「錆表現」をしてみました。

フィルターリングをします

本体グリーンを少しだけ彩度を落として深みをだすため、「フィルタリキッド・レイヤーバイオレット」でフィルタリングをします。

塗料は全く薄めず、平筆でまずは均一に半透明の層を作ります。
塗料の層を筆で延ばしながらエッジや影になる部分に「かすかに溜まる」程度の塗ムラをつけていきます。
全体にフィルターがかかることにより「色味(色相)を変化」させ「影色の表現」もでき「グラデーション塗装のムラ」もなじませることができます。
また、フィルターリングをするとこの後行うウェザリングの「色の沈み」を防ぐ効果も期待できます。

ウォッシングをします

ウォッシング兼ストレーキング兼スミイレのため「ウェザリングカラー・グランドブラウン」を使用します。
ウェザリングカラーは油彩なので、とても伸びがよく乾燥も遅いので、「パーツ上で塗料を動かすウォッシング」には便利な塗料です。
ただし、油彩は「つや消し状の面」では完全に拭き取るのが難しく、拭き取っても塗料が動くだけでいつまでも残り続けるので、「べったり全体に塗る」のはおすすめしません。
今回もまず、平筆を縦にして濃い目の塗料で「ランダムな太さの細い雨垂れ」を描き込みました。

洗って溶剤を付けた平筆で上から下へ「雨垂れを細く削り込み」ながら、塗料を全体に薄く伸ばしていきます。
雨垂れは1/60というスケールを考えて「見えるか見えないかのギリギリ」まで薄く削っておきました。
延ばした塗料は、モールドにも溜まるのでピンウォッシュ(スミイレ)になります。
パーツの裏側など少し塗料が溜まって「くどい部分」は、溶剤の付いた綿棒だと塗料が落ちすぎるので「乾いた綿棒」で叩くように伸ばして拭き取りをしておきました。

錆を描きこみます

錆の表現にはエナメル「ラスティブラウン」を使用しました。
一応専用色を使いましたが、つやのないこげ茶色なら「ハルレッド」でも使えます。
面相筆に濃い目の塗料を付けて錆びそうな場所に「ちょんちょんと点を置いて繋げる」用に描きこみます。
スワンピークラッグは全体が錆びてる表現にしてみました。
錆を描きこむ注意点は「丸まらない」「大きすぎない」「非対称にする」ことです。
エナメル塗料を使用しているので、一通り描きこんで気に入らないところは「溶剤を含ませたフィニッシュマスターの先端を当てるように削り」修正しておきます。
その他「リベット」や「肘や膝裏のアーマー」など、「一度水が溜まって、徐々に垂れてきそうなところ」にも同様に「ラスティブラウン」で描きこんでおきます。

茶色一色だと単調なのでエナメル「赤さび」を使用して情報量を増やします。
先に描いた茶色を下地として中心付近に「ちょんちょんと点を置いて」いきました。
エナメル「赤さび」はピグメントが入っているので、乾燥すると結構強めの「ざらざら感」がでます。
あくまでアクセントなので、付け過ぎないように注意しました。

そのままだと「いかにも描きました感」があるので、ぼかしていきます。
エナメル溶剤を付けた面相筆で、塗装の「境い目をつついて」少しずつなじませていきます。
せっかく描いた錆表現が消えないよう、「ちょんちょんと上から下に叩くよう」に筆を動かします。
錆ダレの表現も同様に伸ばしたり削り込んだりして調整しておきました

チッピングをします

チッピングにはエナメル「ガンメタリック」を使用します。
小さくちぎったスポンジをピンセットでつまんで、エッジ付近にポンポンとスタンプします。
スポンジチッピングは平面でも簡単に「ランダムな汚れ」ができるのが利点です。
付け過ぎた塗料は溶剤でトリミングして「大きすぎず」「連続せず」「均一にならない」ように修正します。
スワンピークラッグは特に「金属感」と「黒錆感」が出て一気に雰囲気がでてきます。

砂ぼこりの表現をします

「砂ぼこり」の表現を「ウェザリングカラー・サンディウォッシュ」で行います。
二足歩行のロボットが「全身砂まみれ」なのはおかしいので、まずは面相筆で「足の下半分ほどに」と「スワンピークラッグの下側エッジ付近」にランダムで線を描きこみます。
溶剤を付けた筆で「線をつなぐよう」塗料を延ばして「乾いた泥汚れ」の表現としました。
「サンディウォッシュ」は乾燥するととても目立つのでやり過ぎないよう注意します。

スワンピークラッグには「泥はねの表現」のため、平筆を棒に当てて払い細かな塗料の粒を飛ばす「スプラッシュ」を施しています。

仕上げ加工をします

カメラレンズは「透明の伸ばしランナー」を加工して作成しました。
レンズは市販パーツを使う方が簡単ですが、伸ばしランナーなら好みのサイズをいくらでも作れるのでそれほど精度のいらない「小さい部品」では重宝します。
レンズの球面は「ライターで軽くあぶると表面張力で丸まる」ので簡単に加工できます。
メインカメラと望遠カメラは「ラッカー・クリアグリーン」で、赤外線カメラは「エナメル・クリアレッド」で筆塗りしました。
ウェザリングの保護とつやの調整のため「GXつや消しスーパースムースクリアー」をエアーブラシでオーバーコートして完成です。

カラーガイド

塗料メーカーは[C]クレオス[G]ガイアノーツ[TE]タミヤエナメルで表記
比率は先頭のベースカラーから色味を調整しつつ調色しています。

ベース色=メカサフヘビー[G]
本体緑色= AT01グリーン[G] 2:ブライトロイヤルブルー[G] 1
本体青色=ブルーグレー[G] 3:パープルバイオレット[G] 2
頭部茶色=艦底色[C]
頭部黒色=エナメルジャーマングレー[TE]
カメラ部銀色=EXシルバー[G]
パイロットスーツ=ウォームホワイト[G]
コクピットシート茶色=ウッドブラウン[C]+艦底色[C]極微量
その他細部塗装
レンズ=クリアーグリーン[C]
レンズ=クリアーレッド[TE]
パイロット=ブラウン[TE]・ホワイト[TE]・オレンジ[TE]・レッド[TE]・ブルー[TE]・グリーン[TE]・ジャーマングレー[TE]
ウェザリング
Mrウェザリングカラーフィルタリキッド・レイヤーバイオレット[C]
Mrウェザリングカラー・グランドブラウン[C]
Mrウェザリングカラー・サンディウォッシュ[C]
フレームアームズカラー・エナメル・ラスティブラウン[G]
エナメル・赤さび「G」
エナメル・ガンメタリック[TE]

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