レジンキット・ナイトウモデルズ「1/20西住みほ」サフレス塗装に挑戦

レジンキット

レジンキット「ナイトウモデルズ1/20西住みほ」をサフレス塗装で製作します。
キットは2018年ワンダーフェスティバル冬に発売されたもので、「1/20スケールでもデフォルメではないガチ造形」に惚れて購入しました。(某社のシリーズが止まってるのも理由ではありますが)
パーツ分割も良く出来ていて、「顔のモールドがくっきりしている」ので完成のイメージもしやすく

なにより「美少女フィギュアとして一番大事なものがちゃんと作りこまれてる」のが素晴らしいです。

綺麗なホワイトレジン製なので「サフレス塗装による肌表現」で仕上げたいと思います。

まずは仮組です

念のため離型剤を落とすために「レジンウォッシュ」で洗浄してから、パーツチェック。
「スカーフ」を紛失してしまったようです・・・。
ずいぶん昔に買ったキットなので自力でどうにかしないといけません。
洗浄後ゲートとバリの処理をします。
レジンは切削性が良いので、ゲートもデザインナイフでサクサク切り取れ、バリとパーティングラインもカンナ掛けで簡単に処理できます。

気泡を埋めます

レジンは「型に液体を重力によってゆっくり流し込む」と言う製造特性上、どうしても気泡が発生します。
現在のキットは真空槽や遠心分離器による強制脱泡で比較的気泡が少なく作られていますので、気泡埋めはかなり楽になったと思いますがそれでも「気泡埋めはレジンキットの宿命」だと思います。
まずは気泡をナイフで「ぐりぐり」広げて「瞬間接着剤」を充填、やすり掛けで表面を平滑にします。
大きな気泡やパーツのカケ等は「ゲートなどあまったレジン」をクサビ状にして押し込んだうえ接着。
乾燥後大まかに形状を切り出してからやすり掛けで形状出しと表面処理を行います。
「レジン棒」は何かと便利なので、私は捨てずにとっておくようにしています。

やすり掛けで表面を整えます

瞬間接着剤は硬いので#240番で、パーツ表面は#500番ぐらい(使い古した#400番)の神ヤスで処理しました。
レジンキットはあまりしつこくやすり掛けをすると、次々と気泡が現れて無限に処理することになるので、ほどほどの仕上げとしました。
肌パーツだけは「なめらかな方が良い」ので#800番までかけています。

軸打ちをします

通常レジンキットを組み立てる際は補強や位置決めのために「軸打ち」をします。
このキットはダボもしっかりしていて小さくて軽いので軸打ちなしの接着のみでも特に問題なく組み立てられますが、エアーブラシによる塗装は「ばらして塗装した方が楽」なので軸打ちしました。

今回手元に真鍮線がなかったので、軸打ちには「クリップ」を延ばして0.75mmの穴に通して使用しました。
クリップは硬くて加工が面倒くさいので「市販の真鍮線」を使用することをお勧めします。
「軸合わせ」は軸を刺したパーツを、相手側に「ぐりぐり押し付けてスタンプ」して穴あけをします。
レジンは柔らかいので位置決めは適当でも調整は効きますし、パーツ同士の接合が「ゆるゆる」でもどうせ最終的に接着するので気にしません。

スカーフを自作します

スカーフは紛失したのでエポキシパテで自作しました。
結び目は本体ダボ穴にスタンプして作成。
リボンを薄く延ばしたパテで形状を出して折りたたみながらしわをつけます。
表面は「水を付けたヘラ(調色スティック)」でなでて平滑にし、やすりはかけていません。
パテが固まったら、瞬間接着剤で固定して完成としました。

塗装します

全てのパーツの表面処理が終わったら「超音波洗浄機」で一度洗浄して削りカスを落としておきます。
乾燥後「マルチプライマー」をエアーブラシで薄く吹いて「足付け」をしておきました。

肌色の塗装

肌シャドー色「サフレスピンク 2:サフレスオレンジ 1」かなりオレンジより肌色を細吹きします。
吹き付けるのは「衣類の際」「うちもも」「膝小僧の周囲」「お尻のくぼみ」など、筋肉が張っていない部分や圧迫されている部分になりますが、「ベタ塗にならない程度に適当」に塗っています。
この後重ね塗りして馴染ませるので線の太さはあまり気にせず、「色味の差がでるようにしっかり発色させる」ことを意識しました。

肌基本色「調色フレッシュ 1:クリアー 2」通常の肌色を疑似クリアフレッシュにして使用しました。
サフレス塗装は「クリアオレンジ」や「クリアピンク」を多層に重ねて発色させる方法がありますが、クリアの色味は吹けば吹くほど濃くなるので、失敗したときに後戻りができずすごく難しいです。
あらかじめ顔料系で「欲しい色のクリアカラー」にしておけば、色味は気にせず発色だけをコントロールすればよいので、「味はでない」けど比較的簡単に塗装できると思います。
一発で発色はさせず、均一に吹き付けてシャドーをなじませながら、4回程吹き重ねてみました。
この後「つや消しをオーバーコートすると彩度が落ちて白っぽくなる」ので、少し強めの発色を狙っています。

アイペイントをします

まずは「白目をつくる」ためラッカー溶剤を含ませたフィニッシュマスターで、肌色を落とします。
「エナメルは平滑面でないと綺麗に拭き取れない」ので、スプレークリアーつや有りで下地を作っておきます。

アイペイントはエナメル塗料「ハルレッド+ブラック」の濃いこげ茶色を、タミヤの面相筆極細を使用して描いていきます。

アイペイントは「上まつ毛(アイライン)」から描いていきます

目を描く時に難しいのは「高さ・間隔・大きさ」少しでもずれると一気に印象が変わるところです。

このキットはモールドがしっかり彫られていてガイドになるので、調節は簡単でした。

上まつ毛は「目のカタチ」を決める一番の要素で「作家の癖」が一番でるポイントだと思うので、「描きたい見本をしっかり見ながら」慎重にかきます。

モールドでは「目が少し大きい印象なので」内側に線を描きこみました。

私は絵心はないので、上アイラインを3つの要素に分けて描くようにしています。

  • 目頭側から頂点(内側に短くほぼ水平。まつ毛の方向で印象を決めます)
  • 頂点から目尻上側(丸く外側まつ毛の鋭角部はかなり下側。まつ毛の位置で印象を決めます)
  • 目尻下側(今回はほぼなし、内側のラインつながっている。白目の形状を決めます)

はみ出しをフィニッシュマスターで「削りながら」少しずつ形を調整しました。
上アイラインを描いた時点で大体のイメージが出来るまで頑張り、ある程度納得が出来たところで、スプレークリアーを吹いて一度エナメルカラーを保護(セーブ)しておきました。

瞳(瞳孔)のラインを描いていきます

ガールズ&パンツァーの瞳は「輪郭が太い」のが特徴です。
人間の目は「まぶたで上半分」が「涙袋で下部が少し」隠れるので、「台形をイメージ」して描きます。
瞳の底辺は「下アイライン」の表現になり「目全体の大きさを決定する」ので慎重に位置を決めます。

ついでに二重線も描きいておきます。

二重線はモールドがありますが少し長すぎるので、モールドよりも短めに描きました。
ここまでで、目全体の線は描けたのでセーブしておきます。

瞳の色を塗ります

瞳の下半分を「オレンジ+ブラウン」暗めのオレンジで上半分「ブラウン+オレンジ」明るめのブラウンで塗り分けます。
アニメ調なのでブレンディングはせず「球面になるように」境界線をはっきりと塗分けて、はみ出しは溶剤をつけたフィニッシュマスターで瞳の輪郭線が見えるまで削り込みます。

眉毛を描きます。

眉毛は「ブラウン+オレンジ」明るめのブラウン(髪と同系色)で描きます。
高さと長さに注意しながら、「左右で大きさが違わないように」注意しながら削り込んでいきました。
ここで3度目のセーブをしました。

瞳孔を描きます

瞳孔は「ハルレッド+ブラック」少し明度を上げた黒で描きます。
瞳孔は「見ている方向を決める要素」なので慎重に位置を調整します。
正面を向いている顔の場合、中心からほんの少し内側(寄り目)にすると「無機質な目にならない」と思います。
瞳孔も作家の特徴が出る部分です。
私が参考にした絵では「楕円形」だったので頑張って削り込んでいきました。

口を塗っていきます。
口内は「ホワイト+レッド微量」明るめのピンクで塗って、周りの輪郭は「レッド+オレンジ」暗いレッドで塗り分けます。
バランスを見ながら「ピンク」と「レッド」を行ったり来たりしながら塗っていきました。
ここで4度目のセーブをしておきます。

瞳のハイライトを入れます

目のハイライトは「ホワイト」で描きます。
通常光源は上方にあるので左右どちらかの瞳の輪郭付近に「一方向に寄せて高さを揃えて」描きこみます。
涙袋からの反射光は「オレンジ+ホワイト」の明るめの瞳の色を瞳の輪郭の内側下方に描いておきました。
ハイライトは「目に生気が入る」だけでなく「全体の印象を作る」ので、色々考えるよりもまずは見本をよく見て少しずつ調整していきます。
まぶたの影を描きます。
まぶたの影は「ホワイト+ニュートラルグレー」少し明るいグレーで白目の上部三分の一あたりに描きます。
このサイズだとあまり目立たないですが、目の立体感が増します。

肌のオーバーコートをします

アイペイントが完了したら、マスキングゾルで瞳と口を保護してから肌のつやを調整します。
肌オーバーコート「フラットクリア 1:フラットベースなめらかスムース 1+雲母堂ミルキーホワイトパール小さじ半分」を全体に吹きつけていきます。
つやが消えると、「グラデーションが浮かび上がって」人形っぽさがなくなります。
色味は彩度が落ちて「白っぽくなる」ので基本色の肌色のくどさも抜けるかと思います。
今回顔の基本色がやや弱くて色白になってしまいましたが・・・。

髪を塗装します

髪シャドー色こげ茶色「リノリウム色 1:ブラウン 1」暗めの茶色で髪先・つむじ・谷間・裏側を吹きます。
顔パーツと組み立ててから、瞬間接着剤で合わせ目を消していきます。
合わせ目を消したら髪のスキマにマスキングテープを滑り込ませるようしながら肌をマスキングしていきます。
合わせ目処理で消えたシャドー色は吹き直して置きました。
髪基本色茶色「オレンジ 2:ブラウン 1+ホワイト少々+リノリウム色少々」黄色味のある茶色で髪全体を発色させていきました。
髪ハイライト茶色「基本色+ホワイト+黄色」かなり明るめの茶色で前髪の山側やサイド側など、いわゆる天使の輪の部分にハイライトを吹いておきます。

制服の塗装をします

制服シャドー色「ホワイト+パープルバイオレット微量」淡いスミレ色で細吹します。
しわの谷間や腋・胸の影や肘・袖口の関節部などを狙って吹き付けました。
制服基本色「ホワイト 2:クリアー 1」発色を弱めたホワイトでシャドー色を慣らしていきます。
レジンを隠蔽するためしっかり吹き付けたいところですが、シャドー色を消したくないので一気に発色しないように少しずつ塗膜を重ねていきました。
荒めのグラデーションが入ったら塗料を一度出して「さらにクリアーで倍以上に薄めた」ほぼクリアーのホワイトをふわっと吹き付けて、全体がしっとりとした塗面になったら完了です。

インナーを塗装します。

インナー白色「クールホワイト」マスキングしてベタ塗。この辺の色はいつもは悩みますが今回は一択です。

スカートなどを塗装します

スカートシャドー色「暗緑色」をスカートのプリーツを狙って細吹きしておきます。
スカート基本色「デイトナグリーン」を吹いてグラデーションをかけていきます。
襟・胸元・袖口はマスキングテープを細切りしてちまちまマスクして塗分けました。
今回サフレスで塗ったのでマスキングで塗膜がもっていかれて、一部「白からやり直し」になってしまいました。
マスキングをしたい場合は、クリアーで一度保護した方が良かったかもしれません。

ソックスを塗装します

肌をマスキングして塗分けていきます。

ソックス基本色「コバルトブルー 2:ティターンズブルー1 1:パープルバイオレット 1」ティターンズブルーで明度を落としてバイオレットで赤味を足した紺色を全体に吹き付けます。
ソックスシャドー色「ソックス基本色+ティターンズブルー1」基本色の明度を落とした色で、ソックスの縁と足首周りに細吹きしておきました。

靴を塗装します

さらにソックス部分をマスキングして塗分けました。

靴シャドー色「艦底色」をつま先やモールドを狙って細吹きしておきます。
靴基本色「ブラウン 1:艦底色 1」こげ茶色の細吹きでシャドーをなじませながら全体を塗りました。

スカーフを塗装します

制服をマスキングして塗分けていきます。
スカーフ黒色「インナーブラック」をベタ塗で吹き付けました。

仕上げ

制服白のグラデーションを馴染ませるため「フィルターリキッド・レイヤーバイオレット」を筆塗りします。
発色が少し弱いので半乾きまで乾燥させて何度か重ね塗りをして全体的に発色させます。
インナーも同色でこちらは少しメリハリをつけてグラデーションをかけてみました。
チークはエナメル塗料「ホワイト+レッド」を輪郭をぼかしながら筆塗りしておきました。
最後に「フラットクリア+フラットベースなめらかスムース」を吹いてつやを整え、瞬間接着剤で組み立てたら完成です。

カラーガイド

塗料メーカーは[C]クレオス[G]ガイアノーツで表記
比率は先頭のベースカラーから色味を調整しつつ調色しています。

肌基本色フレッシュ=キャラクターフレッシュ1[C] 3:キャラクターフレッシュ2[C] 1:EXホワイト[G] 5
肌基本色=基本フレッシュ 1:EXクリアー[G] 2
肌シャドー色=サフレスピンク[G] 2:サフレスオレンジ[G] 1
髪基本色=オレンジ[C] 2:ブラウン[C] 1+クールホワイト[C]少々+リノリウム色[G]少々
髪シャドー色=リノリウム色[G] 1:ブラウン[C] 1
髪ハイライト色=髪基本色+クールホワイト[C]+イエロー[C]
制服基本色=クールホワイト[C] 2:EXクリアー[G] 1
制服シャドー色=クールホワイト[C]+パープルバイオレット[G]極微量
スカート基本色=デイトナグリーン[C]
スカートシャドー色=暗緑色(中島系)[C]
ソックス基本色=コバルトブルー[G] 2:ティターンズブルー1[C] 1:パープルバイオレット[G] 1
ソックスシャドー色=ソックス基本色+ティターンズブルー1[C]少々
靴基本色=ブラウン[C] 1:艦底色[C] 1
靴シャドー色=艦底色[C]
スカーフ=FAGカラー・インナーブラック[G]
アイペイント(すべてタミヤエナメル)=ハルレッド・ブラック・ホワイト・オレンジ・ブラウン・レッド

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