いまさら「MG・ゼータガンダムver1」を作ってみた

ガンダム

MG・ゼータガンダムを全塗装で製作します。
キットは大昔に購入してずっと積んでいたのですが、モデルグラフィックス2016年11月号から始まった伊藤霊一氏の「LET’S TRYビギナーズ」で詳しい製作法が解説されたので、プラモデル工作の練習のため作ってみました。
キットはさすがに古い設計のため合わせ目等処理が大変ですが、独特の丸みのあるボディーとどっしりしたプロポーションが「最新キットにはない魅力」だと思います。
ウェーブライダー形態への完全変形ギミックも楽しいので、そこを最大限に生かした製作になります。

まずは仮組です

説明書通り組み立てますが、大部分が「挟み込み」になるのでパーツの合わせ目が気になります。
組み立てながら、接着できるパーツはどんどん接着して合わせ目を同時に処理していきました。

  • ショルダーノズル
  • 頭部側面
  • つま先白パーツ
  • かかと赤パーツ
  • 膝のフレームブロック(ABS)
  • 武装パーツ

塗装を考えると後ハメ加工をしたいところですが、関節部を加工にすると強度が落ちて変形に支障をきたす可能性があるので、最低限度にとどめました。

  • フェイス部(首の受けパーツは生かして顔面だけエッジングソーで削ぐようにカット、組み立て後接着)
  • かかと赤パーツと白パーツ両方(受け側をC字に切り欠いて、上からはめ込む)
  • 胸部黄色ノズルガード(ダボを落として、組み立て後接着)
  • シールドスライド機構(中央の切り欠きをカットして、スライドの受けが入るようにする)

パーツはかなりヒケがあるので、しっかりやすり掛けをしてエッジも出しておきたいところです。
一部ハメ合わせがキツイ部分(ボディフレームと背面青パーツ等)があるので調整しながら組みます。

改修加工

改修の目的は「変形をスムーズにすること」がメインになります。
とくに「変形時にパーツ通しが干渉する部分」が結構あるのでクリアランスの確保が必要になります。
塗装するので塗膜の剥がれ防止のため、可動部分も外装側をデザインナイフで削ってパーツ同士が擦れないよう仮組しながら調整しました。

クリアランス加工

ショルダーノズルが「肩の奥側」に当たってしっかり収納できないので、削り込みます。

ふんどし(白パーツ)が胴体とフロントアーマーに干渉するので裏側から削り込みます。

腹部(白パーツ)は収納時首の段差と干渉するので、後ろ側だけ少し削っておきます。

腰のフレームパーツで脚の付け根をロックするので、スムーズにハマる様に削ります。

フライングアーマーへの腕の収納時の干渉部分は、完成時見えにくい場所なので、がっつり削ります。

コックピットフレームはシールドに干渉するので、両サイドを削って奥まで入るようにします。

マグネットによるロック機構

フライングアーマーはウェーブライダー時「背中からのフレームで吊り下がっているだけの状態」になります。
ここを胸部とフライングアーマーをマグネット接続して2点支持にすることで、ぐらつきを押さえます。

胸部アーマーの干渉部分は出来るだけフライングアーマーと接地面が大きくなるように、荒めのやすりで思い切って削り込みます。
モールドはつぶれてしまいますが、どの道どちらの形態でも見えなくなる箇所なので気にせず削りました。
胸部側はドリルで貫通させて「丸型Φ3×1.5t」をむき出しで埋め込みます。
フライングアーマー側は1.2mmプラ板に穴を開けて「丸型Φ3×1.5t」を埋め込み、サポート材を作ります。
吸着力を稼ぐためパーツ側を彫刻刀で少しだけ彫り込み肉薄にしてから接着しました。

ここは出来るだけがっちり吸着させたいので「なるべく大きい磁石を使いたい」ところです。
100均の小型ネオジウムはΦ6.5mmで大きすぎて使いづらくので、「お金に余裕があれば」ハイキューパーツの大きめのマグネットを使用するのも良いかと思います。
一応Φ3mmでも何とか保持はできるようになるので、ウェーブライダー形態での安定感は増したと思います。

シールドのスライド機構はプラ同士の摩擦のみ位置決めするので、立たせたときに自重で垂れそうです。
短縮時にロックできるように、本体側を彫刻刀で彫って「角型4×2×1」を、シールド側は0.5mmプラ板で厚みを増した「丸型Φ2.5×1.5t」を埋め込みました。

その他の改修加工

このキットは「エッジが妙に丸く」または「おかしなエッジ処理」がある気がします。
特に下記の小さいパーツをきちんとエッジ出ししておくと、見栄えは良くなります。

  • 肩ノズル(黄色)の下側をラインで揃える
  • 胸のノズル(黄色)の内側を削って肉薄加工
  • 脚のバーニア(赤色)の内側を削って肉薄加工

パーツ同士の「スキマが妙に大きい」箇所もある気がするので埋めておきます。
背中(青色)の首裏側に1.2mmプラ板を貼り付けて延長しウェブライダー時のスキマを埋める。
シールド上側(赤色)のパーツのスキマに0.3mmプラ板を埋めて瞬着で合わせ目消し。
スキマを埋める方法は色々ありますが、「プラに馴染みやすく加工が容易」なのはプラ板が1番だと思います。

背面(青色)の下部の穴は1.2mmプラ板を貼って肉厚にしておきます。
ここはウェーブライダー変形時、脚と腰フレームの移動のため「すごく荷重がかかる」パーツです。
肉厚にして少しでも補強しておきたいところです。(それでも、何度か変形してると砕け散りましたが)

塗装します

塗装は組み立て→吹き付け→合わせ目消し→マスキングして塗分けで行いました。
原則、内側のパーツから塗り始めてから外側のパーツを塗っていきます。
今回プラ板での加工やクリアランス加工の傷チェックのため、サーフェーサーを使用しました。

フレームのグレーは「メカサフヘビー」を使用しました。

グレーはABSのパーツなので剥がれ防止のため「マルチプライマー」を吹いおきました。
傷などは瞬間接着剤で埋めて、組み立て前に綺麗に処理しておきます。

下地「サーフェイサーEVO」を吹き付けます。

腕や肩の「黄色モールド」・フライングアーマーの「赤色」など塗分けがあるので、青パーツ・赤パーツ・黄色パーツ・紺色パーツは、この時点で未組立のパーツも含め全て下地を吹いておきます。
先に接着したパーツの合わせ目消しのチェックにもなりますし、どうせ組立後の合わせ目消しで何度もサフは吹くことになるので、あせらずに作業を進めます。

黄色の塗装

黄色は「ビビットオレンジ」で塗装をします。

腕や肩の「黄色モールド」は塗装後、マスキングテープをパーツ上でモールドに沿ってカットしてマスクしておきました。
ビームライフルやシールドの塗分けも忘れずに行います。

赤色の塗装

赤色は「ブライトレッド」で塗装をします。

赤パーツはフライングアーマーの塗分けも合わせて、一度全パーツを塗装します。
フライングアーマーを内側の翼を処理(組立→合わせ目消し→サフ→赤色)した上で、赤色をマスキングして塗分けます。
さらにフライングアーマー外側を処理(組立→合わせ目消し→サフ→赤色)した上で、再度赤色をマスキングして塗分けました。

黒色(紺色)の塗装

紺色は「ティターンズブルー1」で塗装をします。

フライングアーマーは塗り分けで何度も塗り直すことになるので専用色があるのは有難いです。
ブルーの名を冠していますが、彩度の高い黒色にしか見えずブルー要素は全く感じられません。
しかしながら「わざとらしくない黒」としては、とても使いやすい色だと思います。
ビームライフルも下地メカサフヘビーを生かして、紺色で塗りわけています。

青色の塗装

青色は「MSブルーゼータ系」で塗装をします。

青パーツも未組立も合わせて全て一旦塗装しておきます。
肩・胸・前腕・脛を組み立てて合わせ目を処理し、マスキングをしてから再度サフから吹き直します。
下地がサーフェイサーEVOでも「3回ほど休み休み吹き付ければ」綺麗に発色すると思います。

白色の塗装

白色は「ニュートラルグレー 1」で塗装をします。

上腕・腿だけを組立処理をしたあと関節グレーのマスキングをして、全パーツを白色にしていきます。
脚部外装も合わせ目箇所が小さいので、まずはばらした状態で白色を塗ってしまいます。
合わせ目処理をして青パーツをマスクしたら、「処理部分だけ狙って」塗りなおしました。

武器の塗装

水色は「ブライトロイヤルブルー」で塗装をします。

水色は下地「メカサフヘビー」の上からそのまま塗装しました。
ハンドガードの塗分けはマスキングをせずに「閉じた状態」でそのまま水色を吹き付けています。
濃いグレーの上から青系を吹くと若干彩度が落ちますが、発色はしっかりしてくれるので落ち着いた水色になったと思います。

挟み込みパーツの塗分けに関して

今回「合わせ目処理(接着してやすり掛け)」をする前に全パーツに塗装をしていますが、「下地や塗装を削って再度塗装するのは二度手間ではないか」と思われるかもしれません。
しかし、「マスキングをして塗分け」の大部分のミスは「テープのズレ」なので、「マスクは出来るだけシンプルに」「吹き付けは出来るだけ一方向からのみ」にした方が事故は防ぎやすいです。
「エアーブラシによる加工後のリタッチ」は、筆塗りと違い「最初の塗面と馴染みやすい」ので、加工した面だけを再度塗装してもほぼ均一な塗面が得られ、多方向からの吹き付けによる漏れの事故も防げます。
なにより、組み立ててる最中でも「塗装後の姿が確認できる」のでモチベーションの維持にもつながります。

デカールを貼ります

今回プレバンの「ガンダムデカール」を使用しています。
さすがにキットが古すぎて、「ドライデカールが砕け散った」ので思わぬ高い出費となりました。
「積みプラ」もほどほどにしないと駄目ですね。

仕上げ

スミイレはタミヤの「スミ入れ塗料」を使用しました。

  • 白パーツ→グレー
  • 赤パーツ→ダークブラウン
  • 黄色パーツ→ブラウン
  • グレー・水色パーツ→ブラック

ここまで分ける必要はなく全て「ダークブラウン」で良いかと思います。

デカール保護のため「EXクリアー」を2回(砂吹き・つや出し)吹いた後(右足首の状態)
「GXつや消しスーパースムース」を吹き付けて艶を整えて(左足首の状態)完成です。

カラーガイド

塗料メーカーは[C]クレオス[G]ガイアノーツ[F]フィニッシャーズ[TE]タミヤエナメルで表記

関節グレー=メカサフヘビー[G]
青色=MSブルーZ系[C]
赤色=ブライトレッド[F]
黄色=ビビットオレンジ[G]
白色=ニュートラルグレー1[G]
黒色=ティターンズブルー
水色=ブライトロイヤルブルー[G]

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